アクティブクラッチ

     

装置の役割

マニュアルトランスミッション車(いわゆるMT車)のミッション操作を、クラッチペダルの操作なしに行える運転補助装置。

利用対象・使用者

足(おもに左足)でクラッチ操作をすることが難しいMT車オーナー

開発の経緯

「手だけで運転せざるを得ない人たちでもミッション操作ができるMT車で、モータースポーツを楽しめる車を作りたい」
2012年に聞いたこの言葉に共感し、開発を開始しました。

製品の機能・構造

機能

  • マニュアルトランスミッションのクラッチ操作を、手元のボタンで行えるようにする
  • スポーツ走行(サーキット走行用)と通常走行(街乗り用)の切替や、クラッチミートの調整はスマートフォンのアプリで行えるようにする

構造

クラッチ制御部(メカ部分)、クラッチ操作部(クラッチボタン)、ユーザー調整部(スマートフォンアプリ)の三部構造。
メカ部分は取付する車種が違っても対応できるよう、汎用性を持たせた内部構造になっている。
クラッチ操作部は、フロアシフトノブであれば全車種に取付可能な構造。
ユーザー調整部は、装着実績がある車種用のデータをプリセットしてあり、簡単な操作で推奨のクラッチタイミングに調整できるようになっている。また、ユーザー独自でクラッチ調整も可能。

 

試作から製品化まで

試作機

     

試作当初は「クラッチ操作を手元で行うこと」に重点を置いて試作を行いました。クラッチミートの調整や走行モードの変更は車載パソコンで行っていました。(ユーザーが調整できるアプリは、製品版になる直前に開発しています)
メカ部分は比較的短い期間で試作機が完成しましたが、メカ部分の制御調整(ソフトウェア側)は困難を極めました。「同じ車でも、運転者や車自体のクセによって微妙に異なる挙動(おもにアクセル開放量)をどうやって吸収していくか?」という調整は、数ヶ月におよびました。

製品版

     

2012年に製品版を発売開始した以降、常に少量生産(ほぼオーダーメイド)と機能拡張を続けています。
この製品の開発・製造手法は、まさに現在の私たちの特色を表しているといえます。

  • 小口ロットでも継続製造ができるよう、メカ部分はできる限り汎用品を使用する
  • 使用しているパーツが廃番などで入手できなくなったときのため、代用品(互換部品)を容易に組み込めるような設計・構造にする
  • クラッチ調整アプリのオンラインアップデート
  • 試行錯誤を繰り返して機能拡張やユーザビリティ向上を実施し、完成度を向上させていく

開発開始から6年が経過した2018年5月現在でも、アクティブクラッチはお客様の声を取り入れながら進化を続けております。